根管治療で使用するMTAセメントのメリットとは?
投稿日:2025年6月3日
カテゴリ:スタッフブログ
根管治療で使用するMTAセメントのメリットについて
不動前駅すぐの歯医者「不動前デンタルオフィス」の歯科衛生士です。
MTAセメントとは、根管治療の際に根管の充填や神経を保護するために使用する特殊なセメントです。根管を充填する材料はいくつかありますが、メリットの多さなどで注目されているのが「MTAセメント」です。
そこで今回のブログでは、根管治療で使用するMTAセメントのメリットについてお話したいと思います。MTAセメントは、主に下記のようなメリットが挙げられます。
生体親和性が高い
MTAセメントは、細胞培養にも使用できるほど体にとてもやさしいセメント材です。骨や歯に近い成分でできているため、歯根の先や神経の近くなど、デリケートな部分にも安心して使うことができます。
密閉性が高い
通常のセメントは時間の経過とともに収縮するため、根管に細菌の繁殖スペースが生じやすくなります。しかし、MTAセメントは膨張しながら硬化する性質があるため、歯の神経に近い部分もしっかり密閉でき、すき間から細菌が入り込むのを防ぐことができます。
強力な殺菌作用
MTAセメントは強アルカリ性で強力な殺菌作用があります。根管治療では、丁寧に洗浄しても根管内にわずかに細菌が残ることがあります。しかし、MTAセメントを使うことで、そうした細菌をしっかり除去できるため、再発リスクの軽減に繋がります。
歯や骨の再生を促進
MTAセメントは、ゆっくりと歯や骨を再生させる成分(水酸化カルシウム)を放出する素材です。これにより失われた歯の内側の組織が少しずつ修復されるため、歯が割れたり折れたりするリスクを減らすことができます。結果として、歯をより長く健康な状態で保つことが期待できます。
親水性に優れている
お口の中は完全に乾かすのが難しい場所です。MTAセメントは、水になじみやすい性質があり、患部に血液や水分が残っていても、問題なく使えるので、しっかりと効果を発揮することができます。
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